2015年 10月 26日
大根仁監督作 『バクマン。』
途中で地震があってびっくり。病室へ亜豆ちゃんがお見舞いに持って来たお花を最高くんが受け取って脇へ置いた直後。震度2だったようですが、3はあったんじゃないかと。
セリフ聞き漏らしましたわよ、もー
原作もアニメも知りませんが、ジャンプ男子によると「最後に秋人が差しだした手を握手しないで叩いたのは、『スラムダンク』へのオマージュ」なんだってゆうんですが、ほんま?
他にもジャンプファンなら解るネタがいくつかあるのかもしれませんね。
2人の担当となる服部役の山田孝之さんの好感ぶりがとてもいい。
リリー・フランキー氏の海千山千ぶりもなかなかの巧さ。
甥と知ってから微妙に変わった視線もよかった。
病室でのようすも、同じようにこれ以上追い詰めてはいけないという心痛が感じられました。
久し振りの等身大の役どころと思いましたが、健くん、もう26歳だったんですね。
全員ワインなのにひとりだけオレンジジュース渡されて苦笑してたのがついこの前のことのよう・・・。
声も仕草も安定して、無垢なきょとん顔も種類が増えたし。
経験に勝る神木くんとも渡り合えていたのでは。
(『20世紀少年』で最後にお面を上げて見せたあの表情をまたなにかサイコパス役なんかで見せてくれなかしら)
作品が仕上がっていく状況をプロジェクションマッピングで表したり、ライバル作家への対向意識をイマジネーション映像で表したりと、机に向っているだけの絵に陥らないようにユニークなアイディアが施されていました。
染谷将太さん演じる作家の、人を食ったような個性が自然に表現できるのはさすがの巧さ。
「らじゃーでーす」なんて惚けてみせるふてぶてしい自信家の裏で、彼なりの闘争があることが分かりました。
編集会議のようすも面白い。
「あり」なんて素っ気ない言葉が運命の鐘なんだ。
周囲の大人たちに翻弄され「自分たちらしさ」を見失ったり、続けるべき理由への突っ走り方なんて、まさに青春映画。
若者たちの直情が、瑞々しい感性が、眩しいのでありました。
スタッフロールが凝っていて面白かったです。
作家氏たちが不満を訴える、「アンケート至上主義」ですが。
毎週毎週、切手代プラス投函の手間もかかるんですから、ネット投票になったところで読者の声は確かに判断材料としては重要。
しかし、いったい販売部数の何パーセントが送られてくるんでしょうね?
当の作家にしてみたら、腑に落ちないところもあるのは当然。
編集部がそれで判断する以上、その勝負に「諦めたらそこで・・・」と挑み続ける作家たちの姿が描かれます。
敵は「少年ジャンプ」自体であるとしていても、その闘いに少年ジャンプのテーマ「友情・努力・勝利」と謳い、病身を押して作品を仕上げようとする最高を助ける作家たち。
少年マンガ雑誌はこうしてまた若者をそのテーマの下に育てたわけですね。