2015年 12月 14日
ふたりのスパイ wowow放映映画
亀梨さんの孤高な佇まいとか、しなやかな身のこなしはいいと思うんですが、いかんせんストーリーが・・・。
このキャストで陸軍中野学校は作れないでしょうし、こうなっちゃうのかな
厳しいスケジュールの中で頑張っていたんでしょうにこれでは可哀そう。
なんとかもうすこし練り上げて作り直せないものか。
敵の将校?が「スパイは紳士がやるものだ。ジャップには相応しくない」みたいな自虐的セリフで、自ら答えを出しちゃった作品でした。
でもラストに車で去る場面はBGMも盛り上げて、ああ『ルパン三世』も、せめてラストをこんなふうに疾走感ある演出で終わらせれば見栄えよかったのにぃと思いましたです。
猛スピードの車からいつの間にか降りていてお着替えまでしていて悠然と歩いてるって、ふ~じこちゃんみたいですし
伊勢谷さんは、ゲシュタポの軍服のほうが似合いそう。
『Everything or Nothing The United Story』
さてその紳士のスパイ『スペクター』公開に合わせて『007』全シリーズが放映されていますが、これはその裏側を追ったドキェメンタリー。
どんどん重苦しいものになっていく制作の裏側。そこに映画の一場面やセリフを当て嵌めた緩急の付け方が面白かったです。
1本もまともに007を見ていない私のようなものでも興味を描き立てられる演出でした。
原作者イアン・フレミングが緻密に創造したスパイの実写化前後の混乱。
いかに映画化権を獲得したか。
なぜS・コネリーが降板することになったか。はたまたなぜ復帰することになったか。
なぜ、どーしてJ・レイゼンビーだったのか?
彼のボンド役獲得のための涙ぐましい努力の賜物のようですが、それがプロデューサーを射止めてしまったのだから仕方がないですね。
どう見ても華がない。これは致命的で、努力では補えない。
ピアーズ・ブロスナンは、一旦はオファーがあったのに土壇場で役を失ったときのショックや、10年以上待ってようやく再度オファーが来た時の歓喜をジェスチャー交じりで説明するようすは明るくしなやかな彼らしい。
車を走らせていたら別の俳優がボンドの格好で写っているポスターを目撃するって、そうゆう無念はどの俳優さんも味わっているんですね。
既に観客に染み込んだ映画の印象から離れてしまったダルトン007については、シェークスピア俳優でもあるティモシー・ダルトンが毅然と「原点回帰」を強調しているのが印象的。
ダニエル・クレイグは原作に描かれた外見とは初めて違うボンドとなったことが話題でしたが、今にして思えばよくぞ黒髪に染めなかったと感心します。
記者会見で、写真に髪が黒く写っていたので染めたのかという質問にも、光線の加減でそう見えただけ染めていないと真っ直ぐな視線で答える姿にそれは現れていた気がします。
彼の髪はダークな部分もあるブロンドなのでそう見えるんですね。
敢えて型作りせず、ボンドを醸し出そうとした覚悟と挑戦があったのかな。
マスコミや評論家がどう評価しようと、多くのファンは、ボンドがどんな活躍を見せてくれるか毎回楽しみに迎えているのではないのかしら。
面白い作品であれば、観客は外見云々は二の次なんでしょう。
ここまで娯楽大作として育て上げたふたりのプロデューサーが袂を分かったがゆえの訴訟続き。
疲弊していくプロデューサー‘カビー’の娘が、6年間も新作を作れなかった父の苦悩を語るのも、栄光の裏側の影を色濃く感じさせました。