2015年 12月 30日
『黒部の太陽』他TV放映の映画
映画を見た!という満足感がありました。
TV放映では圧倒的に『パークランド』。毎年のことですが今年も何本もスクリーンで見逃して、これは本当に残念だったんですが、比較的直ぐに放映されてよかったです。何度でも見たい作品です。
ケネディ事件を扱った映画は大抵がこの事件の不透明さ複雑さにモヤモヤが残るんですが、この映画はなぜかそうゆうことが無かった。
備忘録に最近見たTV放映の映画も書いておきます。
大森貴弘監督作 『海月姫』
あまちゃん後、次はなにが観られるのか楽しみにしていた能年玲奈さん主演。
とうとう15年はCMでしか見られませんでした。
せめてもという演出家の気遣いを感じるさせるほどに様々な表情を見せるCMだったことがまだ救い。
この映画も、彼女の可愛らしさは存分に活かせた作品。
漫画ですから細かいことは気にせずコメディーとして見なくちゃいけないストーリー。
ファッションショーを成功させて、仲間を振り返る時のあの純粋な笑顔がとてもよかった。
「~ですね」が「~ですにぇ」に聞こえるのも愛らしい。
ドレスはもっとクラゲの透明感や浮遊感を表したデザインにすればいいのに。
大玉真珠じゃ重い。ビーズとかリボンとかで軽く。オーガンジーやレースでひらひら~と
犬童一心監督作 『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』
犬童作品だったのね・・・
あまりに長閑で途中ウトウト。気付いたら一目惚れ美女は友人と並んでました。
ですから感想言うのもなんなんですが・・・
一目惚れした韓流美女が出るなり「トンイ!?」と妹。
有名な女優さんだったのね。
あーば天使にはお似合いの優しいお伽噺でした。
ただ、元・本屋店員としましては、あーばちゃんはいったいぜんたい担当はなんなんでしょう。
児童書担当なのか?雑誌担当なのか?責任者で全体をフォローしてるのか?
毎年どこかで流れる名曲「クリスマス・イブ」が昨年はこの映画のテーマに使われたんですね。
今年はゲームでしたよね。いいのかゲームで。よかったのかゲームで。
熊井啓監督作 『黒部の太陽』
68年(昭和43年)作品。
これは少し前に確かCS局で放映があって見ました。
スクリーンで見て欲しいという石原裕次郎氏の要望から、いままでソフト化もされず、TV放映も79年に短縮版、ノーカット版は今年3月にようやくBS日テレで放映されたそうです。
黒部ダムは昔1度行ったことがあります。
ちょうど放水している時。とにかくその大きさに驚きました。
映画のラストに、さらに危険な建設作業が映りますが、そこまでも見てみたかった。
社会派監督の真骨頂ともいえる、重厚感ある作品でした。
68年にこれだけのものを作ったのは凄いことなのでしょうね。
堂々実名の会社名を出すおおらかさ(?)
おかげで関西電力の太っ腹ぶりが際立ちます。それだけ電力不足が切迫していたわけでしょうね。
貫通したトンネルの石の隙間から吹く風に揺れる旗を指して「黒部の風だ」というセリフがあるんですけれど、タイトルは太陽。
民芸協力、三船プロと石原プロ共同制作で、ふたりの大スターの競演。
(宇野重吉氏の息子役で、寺尾聡氏のひどく初々しい演技が見られたのも貴重)
難工事に立ち向かうふたりの男はそれぞれに家族問題を抱えていて
裕次郎演じる男は、断絶状態の父との軋轢。
三船敏郎氏は重病の娘がいるという背景。
大スターというのはこう映さなくてはならない方程式があって、裕次郎氏の颯爽たる男前っぷりは存分に映されています。
トンネルがあとどれくらいで貫通するのかってのもスターさんならではの感で、一旦は引き揚げたのを戻って来て、これあと少しなんじゃね?って掘り始める・・・で、済ませちゃう。
しかし見せ場はそこではなく、古い職人気質を曲げようとしない頑固一徹の父親へ向ける複雑な心情を語る場面。
父が兄を追い詰め殺したと憎しみを吐露する表情は引き込まれました。
トンネルが遂に貫通するのも、「裕ちゃん」の天才的超人的第六感。
これぞスターはん。
勿論、女性にもモテるから黒部の麓まで会いに来る恋人がいる。
大スターの見せ場は抜かりないって感じですね。
個人的には、ミフネ氏のほうが見応えがありました。世界のミフネの底力を知った思いです。
遂に破砕帯を越え貫通させた時に様々な苦悩が去来する涙なんて、スターさん見てるって感覚ではなく役者の演技を見たという気がしました。
しかしなんで必ず、危険だわ心配だわと惑わす女性を出すかな。
あれが好きくない。