2016年 05月 19日
佐藤信介監督作 『アイ アム ア ヒーロー』
漫画雑誌編集者役で高橋洋さん登場。ふたりの洋さんついに共演です。
ブログで高橋洋さんがこの共演について言及されていますが、おーいずみさんのことを、「いつも自然体」で、「役と自分」の「境目のようなものがなさすぎて感心してしまった」と。
ほんと、どんな役でも後部座席で愚痴ってた頃のままなのだー。
原作は未読ですが、顔立ちを似せるために眉毛太く書いてるのね。
夢の実現のために何も出来ずにくすぶっていて甲斐性もない。彼女に「それは夢じゃなくて妄想」と罵倒されて返す言葉もない。図星だから。
「世界がひっくり返っても」ふがいないままの男が、どう立ち上がりどう闘うかというお話し。
最後の陸上部員は3発だっけ?とすると地下通路に来たゾンビは93人?弾が足りてよかったよかった。
なぜこの男が散弾銃所持するほどクレー射撃が趣味となったのか、どれくらいの使用歴があるのかの説明があったほうが良かったんじゃないでしょうかね。銃の扱いに慣れていることがご都合主義的にならないように。・・・原作にはあるのかな?
今だ射撃場で1発も撃ったことないのか、クレーの最中だけが強い男でいられ腕前はいいのか。
それになぜ職場に戻ったのかも、説明が欲しい。警戒はしてるけど。
奇態描写や黒い血の色を見て、何かに似てるなぁどこかで見たなぁと思いながら見ていました。
エンドロールで監督の名前を見て(忘れてた)、ああ、『GANTZ』か!と気付きました次第です。
あの星人たちの描写と似てますね。ラスボス的不死身の陸上部員なんて特に。
アップになるゾンビの造形がそれぞれ違って、瞳だけでなく、皮膚までも凝ってますこと。ウイルス感染だからなの?従来のゾンビのようにシンプルメイクじゃない。撃たれた時の頭部の破壊されかたも細かい。これはマニア受けするでしょうね。
気弱な部分を残して「どいて下さい!」「どいてー!」はよかったな。命令口調にならないところが。
叫ばず、小田の持つトランシーバーから声が聴こえるのもよかった。
終わってみるとバンデミックホラーばかり記憶に残るんですが、そんな中でも笑わせどころがあるのは珍しいですね。
ゾンビ目の前にして、「ひろみちゃん、出番」と小声で起こすのと、ロレックスは笑えたー
高橋洋さんがおべっかで売れっ子作家のロレックスを褒めたのを憶えてたわけだね。それが命を救ったのだけれども、取りすぎよー
守ると立ち上がった瞬間はふたりにとってのヒーローとなったけれど、殺し終わってみればそれは雄姿ではなく、カタルシスもない。ラストマン・スタンディングはただ殺人者の姿。
だから後部座席であの表情。
半覚醒のレプリカントみたいな制服姿の女子高生が森の中で座ってるという画はシュールだけど、生々しくないこの女優さんがやると可愛らしい風景。
アイドル女優の枠に入るひとですが、よくいえば安定感があると言うか、わるくいえば初々しさがないと言うか危うい魅力がないというか。毎朝のように見ていたせいで見慣れてしまったってことかしら。
長澤まさみさんは、闇を抱えている雰囲気が巧く出ていて、大人のかっこいい女風。
複雑な過去を持っていそうな看護師さんて、それだけでドラマ性があります。
喫煙場面があるのは珍しいですが、一段落してほっとしたところを表すには最適の小道具。臆せず使っていいのでは?
・・・とりあえず弾丸の補充しないと、だね。
予告編で、なんか尻尾がやたら長い『シン・ゴジラ』。
悔しさ押し殺しているかのような横顔の、高橋一生さんがちらっと見えました