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ジョディ・フォスター監督作 『マネーモンスター』

ジョディ・フォスター監督作 『マネーモンスター』_d0109373_16434914.jpgちょっと疲れちゃって居眠りしちゃわないか心配だったんですが、スリリングでテンポもよく、面白かったです。

J・フォスター、もう映画監督4作目なんですね。
ジョージ・クルーニーが財テク番組司会者で、番組冒頭ではおねーさんたち従えて踊ったり、「さあ、リングに上がれ」なんてボクサースタイルで煽るクレイジーさは、まるで「ウルフオブ~」のようですが、軽薄なノリでエンタメ化させても、彼が演じると嫌らしさを感じない。スタッフも困惑するようなアドリブ満載っていうのも彼の洒脱さに似合ってる気がします。
電話で「アイアコッカだ」とふざけて応えていたので、ゲイツってだけでも人をくったようなのに、合成したんですね。

株で大損した青年カイルがねぇ、もう気の毒で気の毒で。妻に説得されるどころか罵倒されて人格否定までされて、愕然とするところなんて哀れで。
確かに遺産を使い果たしただけでなく、一生掛かっても返済しきれない巨額の借金を抱え込んでは逆上も仕方ないですけどね。
演じるジャック・オコンネルって多分初めて見たんですが、とてもよかったです。
根は普通の好青年って感じなので、尚更ラストが悲痛。
アメリカじゃ、撃たれちゃうか・・・

生放送中のスタジオに銃と爆弾を持った男が乱入して生放送どうなる!?ってだけでなく、ディレクターのパティがスタッフに情報を収集させて、個人が8億ドルもの損失出したのが「アルゴリズムのバグ」が原因ではなく、アイビスキャピタルのCEOキャンビーの画策によるものであることが判明していくまでがスリリングで面白かったです。
道路封鎖のロケも敢行してダイナミックな見応えも出ました。

パティは、イヤホン通して犯人を刺激しないようにリーにアドバイスし、カメラアングルを指揮して、生放送のアクシデントを乗り切る。
J・ロバーツは、さほど抜け目ないやり手な雰囲気は出してなかったですが、この前代未聞の事態に、視聴率と反響が念頭になかったとは言い切れない。

スタジオカメラマンも、爆弾の危険の中を最後までカメラを離さない。リーと同じようにどこまでカイルに同情的になっていたかは判らないんですが、居たたまれない様子で外へ出るけれどカメラは現場の床に置いていく。しかもONのまま。このカメラマンを追っているのが珍しい。
ぐったりと座りこんだところに、なぜ危険を顧みず映し続けることが出来たのかとインタビューされる。
ただ夢中だったと応えているけれど、報道する側がよく答えるこの使命感の裏には常に、最前線の優越と恍惚が見え隠れする。

声高に問題提起することも、はたまた情緒的になることもなく、無情にばさっとエンディング。
緊迫の実況に半分面白がってTVを見ていた視聴者も、その後に何をするでもなく、ただ茫然としているだけ。リアリティーショーを見ているような感覚だったんでしょうか
「来週の番組、どうする?」なんてパティの言葉は、元凶が自分たちでなかった安堵が感じられました。
それに応えるリーの笑顔には、複雑な心境も思惑も見えませんでした。

広報だか秘書だかのカトリーナ・バルフが美しいですこと。白いコートなびかせて颯爽。



ジョディ・フォスター監督作 『マネーモンスター』_d0109373_21443142.jpgこれはいつかのモカ。喫茶『リマ』さんにて。
アラビアのアネモネのカップにしてくれないか毎回期待しているのですが、出てこない(笑)
この時はロイヤルコペンハーゲンのトランクェーバー
軽快なドラムのジャズが流れて落ち着いた雰囲気の中、美味しくいただきました。
ごちそうさまでした。

外に出ると小雨がパラつき始めていました。バス停に着くと、ベンチに小学生の姿がありました。
俯いてゲームをしているコに「傘、忘れちゃった?」と声をかけながら半分差しかけました。知らないひとに話しかけられてもスルーと親御さんの言いつけを守ってか、ゲーム進展に夢中だったか、俯いたまま。
ベンチは既に濡れていたので、バスが来るまでの数分間傍らに立っていました。










ジョディ・フォスター監督作 『マネーモンスター』_d0109373_14332716.jpgつまり、こんな状況。


映画

by august22moon | 2016-06-17 23:01 | 映画 | Comments(0)

出会った本、映画の感想。日々のこと。


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