2016年 07月 15日
ローランド・エメリッヒ監督作『インデペンデンスデイ:リサージェンス』
前作は、ジェフ・ゴールドプラムの父親との問題や現大統領とのちょっと笑えるしがらみとか、大統領夫人のがんばりとか、人間ドラマに面白いエピソードが満載で楽しめました。
型破りなパイロットのウィル・スミスが宇宙人をグーパンチでのしちゃったり、「おまえ、臭いんだよっ」なんて文句いいながら基地まで引きずって行くなんてのが可笑しかった。
大統領が「エリア51は存在しまして」なんて国防長官に打ち明けられて呆気にとられるとなんて、傑作な場面でした。
しかしこの続編では、そうゆう人間らしいエピソードが、ことごとく弱くて印象に残るものがない。
だから、闘いに挑む勇壮さもイマイチ迫ってこない。
前作の大統領演説を続編の予告に使うのは、いいアイデアだと感心したんですが、さわりとはいえ今作中に2度も流すのは多い。むしろ無くてよかった。
ホイットモアに覚悟を語らせ、周囲に居合わせた戦闘機パイロットたちが居住まいを正して士気が高まる、というのもしつこく感じてしまいました。
それをなぜ、現在の女性大統領にやらせないのか。カリスマ性の問題か。
20年経って、やはりその宇宙船や戦闘機のデザインの緻密さユニークさは目を見張るものがあるんですが、エイリアンの技術を応用(借用?)していることからして、人類が(ってアメリカだけですが)一丸となって地球を守るっていうカタルシスが無い。
剣を扱う部族の長がエイリアンを剣で倒すんですが、こうゆう闘い方も入れてはいるんですけどね。
折角入手した新技術だから利用するのは理解できるんです。それにしては月面基地は一蹴されちゃって・・・
俳優の風貌が役柄に合っていたのが、アメリカのプロパガンダムービーらしさを引き起こしていたんですよね。ロバート・ロッジアの将軍とかアダム・ボールドウィンの少佐とか。
ケネディに似せた風貌の大統領とか。
女性大統領にしたのが結果的にタイムリーになりましたが、それらしく見えませんでした。
(つくづくグレンクローズは巧かったなぁと思います。大統領との友情まで匂わせて)
ウイリアム・フィクナーも、将軍にも大統領にも見えないし。
中国人出すのはもう構わないんですが、中国語捲し立てる設定ってのは必要なのかしら
そんなに意識しなくちゃならない市場でしょうかね・・・
研究スタッフの中にフランス人をひとり配するというのも、私は『未知との遭遇』のトリュフォー(通訳連れてほとんどフランス語で押し通すっていうのも気質を表して面白かった)から知りましたが、独特の空気感の違いが出ます。
娯楽作品と割りきって見ましたが、
この前見た別の映画では、コーラを飲むのも忘れて見入っていたなぁなんてことを思い出す始末。