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マーク・スティーブン・ジョンソン監督作『サイモン・バーチ』wowow放映

マーク・スティーブン・ジョンソン監督作『サイモン・バーチ』wowow放映_d0109373_14224845.jpg読んでみたいと思いながら一向に読む勇気が起きない作家のうちのひとりジョン・アーヴィング原作の映画化作品。
結局映画から先に見てしまうことになりました。
あの名セリフ、‘少しずつ失っていく。郵便が来なくなるように、ドレッサーから、枕カバーから匂いが消えていく・・・’だけは知っているので、それが聞きたくて見ました。

原作とはアレンジがされてあるようですが、監督のせいなのか、案外とさらりと描かれていました。
子供にはあまりに過酷な運命を、残酷さはあまり感じずに表されたのは、どのような結末になっても、この少年は乗り越えて行けると示しているようでした。
なんたって原作は「オーウェンのために祈りを」ですから、そこを甘さと見るむきもあるのでしょうが、boyfood movieとして見ればいいのじゃないかと。

サイモンを演じるイアン・マイケル・スミスくんも、大人を困らせるけれど小賢しくもなく、愛らしいし。
ジョーの母親レベッカは美しく輝いているし。(勿忘草色のドレスも素敵だし)
ベンは出会って間もないジョーの父親になる覚悟を持っているし良い人だし。
ラッセル牧師もデヴィッド・ストラザーンが演じると凡庸な聖職者でも許せちゃうし。

出色なのはジョーを演じるジョセフ・マゼロくんで。遠くを見る寂しげな瞳がとてもきれい。
田舎町で父親が不明という環境にあっても、聡明で偏ったものの見方をしない寛容さがある。
だから、サイモンもハンデをものともせず少年時代を謳歌できている。
ジョーにしても、アンフェアだと泣く日々が救われている。
サイモンと遊んだ森の湖で、ひとり泳ぐ。
サイモンを失う要因となった小鹿が対岸に現れる。
なにかのメッセージなのか、偶然に過ぎないのか、その意味を探ろうとする表情がとても良かった。

アルマジロも自分の部屋に置かず、サイモンのお墓に供えてあるのがいいですね。




映画
by august22moon | 2016-09-30 23:00 | 映画 | Comments(0)

出会った本、映画の感想。日々のこと。


by august22
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