2016年 11月 04日
ロン・ハワード監督作 『インフェルノ』
ハンクス氏、今年に入って三作目ですよ、凄いですね。
今作も自前のスーツ台無しで、借り着であちこち飛び回るんですが、今回はじっくりお茶しながら推理してる間も無く、スピーディーで面白かったです。
髪の毛はどんどん短くなちゃって、第一作くらいの長さも教授らしくてよかったのになぁ
ラングドン教授ピンチで始まり、幻覚の中で展開するボッティチェリ作の「神曲・地獄篇」の光景が見事でした。
監督、これこそがやりたかったのではないかと思うほど。夢に出そうな恐ろしさでございました。
フィレンツェが舞台なので、今作も様々な名所が見られます。
(友人にフィレンツェ好きがおりまして、解説で大騒ぎです)
ビッティ宮殿、からのヴァッザーリ回廊。ヴェッキオ宮殿では五百人広間。(天井画がぁぁ~)
地図の間では秘密の扉まで。で、ヴェネチアに移動してのサン・マルコ。
飛んでイスタンブールでは、地下宮殿。ここは初めて見たのですが、面白いところですねぇ
こんなところでコンサートなんて素敵ですこと。
冒頭から度々起こる違和感に、監督、いやトム・ハンクスそこそれでいいのか?フェリシティ・ジョーンズのこの演技をほっといていいのか?の連続でしたが、これがことごとく伏線だったわけで。
ああ、スッキリ。
ラストの攻防戦もスリリング。
ガラスケースの中で破裂した時は思わず、あー間に合わずー!
「ダ・ヴィンチコード」も「天使と悪魔」も原作を読んでから見たので、謎解きの結論に至るまでの経緯が分かって、置いてきぼりにならなかったし、さまざまな説や歴史の教科書だけでは知り得ない知識を得られて楽しかったのですが、今度は未読。
上下巻の長編原作をコンパクトにまとめてあるせいか、特にブゾーニの人物像に関しては、原作を読んでいたほうが分かり易かったかもしれません。
ラングドン教授が記憶喪失や謎の痛みに苦しむさまも、シエナを止めようとする必死の表情も、トム・ハンクスさすがの名演で、引き込まれました。