2018年 03月 03日
クリント・イーストウッド監督作『15時17分、パリ行き』
ここ10数年毎年話題作を監督ししかもそれが悉く秀作。
『ハドソン川の奇跡』でも、救助に向かうフェリーの船長等、本人に出演させていましたが、今作では遂に主演。
イーストウッドの導き方が巧いのか、自然な表情なのには驚きます。
目線がしっかりしているんですね。
ですから、「ご本人による再現ドラマ」とはならず、まったく抵抗なく入り込めました。
実はこの事件のこと、知りませんで。
ご本人たちがご無事と分かっていても、とても緊迫感がありました。
構成が素晴らしい。
3人の子供時代を結構長々と描いて、これがもちろん事件に立ち向かえた背景なわけですが、事件当時のフラッシュバックの入れ方が絶妙で、突然差し込まれると、緊張しました。
しかも事件後、なにも語らせず、放心したような表情に、あの聖フランチェスコの平和の祈りだけを被せたのが、素晴らしかったです。
ずっと心の奥底に刻まれていたわけですね。
泣けた
軍人としては挫折の連続だったかもしれないけれど、すべての訓練がことごとく活かされて。
それはまるでこの瞬間のためだったかのよう。
いやしかしいくら軍事訓練を受けていたからといって、よく「行け」と言えましたね。
銃に慣れていたから分かったのかな
行けって友人アレクが言ったとなっているようですが(アレクが言った瞬間が分からなかったもので)、スペンサー本人の心の声だったかもしれませんね。
スペンサーの母親役の女優さんが、ソンドラ・ロックに似てる気が・・・