ピーター・バーグ監督作 『パトリオット・デイ』wowow放映

d0109373_2125840.jpg13年4月に起きた事件が16年12月には公開されるという早さに、まず驚きがありました。
その傷も癒えないうちに。記憶も鮮明なうちに製作されることに意義があると考えるのがハリウッドなんでしょうか。

事件発生のニュース映像しか知らなかったので、実際の映像にかなり近く製作されたカージャックされた学生や被害者それぞれのドラマはどれも緊張感溢れるものでした。
ただ胸が詰まるような展開ばかりではなく、犯人が逃走した住宅地でドアを僅かに開けて警官に向けて武器を提供しようと「ハンマーならあるぞ」と足元にハンマー投げる住民とか、息が切れて節煙しなきゃなんて嘆息するベテラン警官なんてちょっとユーモアも挿入されていました。

特に悲痛だったのが、救急車両が足りず、次の救急車が来るまで少年の遺体が路上に置かれたままなのをひとりの警察官が遺体の傍らに立って救急車が来るまで待機していた場面。
検死のために触れることもできず、ただ立っていることしかできない。
警官は表情を崩さないんですが、この警官を演じた俳優さんの無表情が素晴らしかった。
時折、道の先に視線を送る。その目には被害者たちは皆とうに病院に運ばれて閑散とした大通りしか見えない。少年と一緒に被害にあったであろう親もどこかの病院に運ばれてしまった。カバーを掛けられた少年へ落とされた視線は明らかに何かを語りかけている。
ようやく来た救急車に収容される少年。警官は姿勢を変えず、視線を真っ直ぐ前方へ向けたまま敬礼しますが、その目には涙が浮かんでいます。
この警官にも子供がいたのかもしれない。冷たいアスファルトに倒れたままの少年に触れて、せめて慰めの言葉をかけてあげたかったのかもしれない。



映画
by august22moon | 2018-06-08 23:00 | 映画 | Comments(0)

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