2018年 09月 18日
原田眞人監督作 『検察側の罪人』
検察が主役なので、前半は特に彼らのお仕事話が容赦ないマシンガントークで展開されるので、ニノさん視線がいいなあとか木村さんスキのない動作がきれいだなぁなんて見惚れてると、置いてけぼりになります。
なりましたので、もう1回見に行くつもり・・・でした。
公開直後に見に行って2回目を見てからこの感想文をまとめてアップするつもりでほったらかしにしていましたが、だんだんと見に行くか分かんなくなってきちゃったんで・・・
容疑者一覧を、長椅子に座って脇に置いて気付かれぬように見る最上の仕草とその言い訳。
諏訪部が最上の手のひらを見て拳銃の種類を決める。「ロシア娘かイタリア娘」
(使用方法と注意点の説明の滑らかさ。完全に楽しんでる)
スルスルと決められてしまうその間の表情。
1発では絶命しなかった時の最上の狼狽え方。ここは巧かった。
急いで身支度をし、髪を直しながら歩く後ろ姿。
(ここからが勝負、というその後の抜かりなさ。見事)
誘いに乗ってしまって愕然としている沖野の表情。
(さすが、第39回)
舞台出身の役者さんたちのセリフの安定感が耳に心地よかったです。
しかし、緑子さん以外の女性がみんな、クセが凄い~
などが印象に残りました。
インパールを被せる巧みさ。夢の中の「御宿タナン」。その亡霊たち。
なんとしても生き残らなくてはならない最上の心情と重なる「白骨街道」。
彼の決意の固く揺るぎないのがよくわかりました。
まるで実際に戦場体験のある世代のようです。いや、これが最上にとっての戦争だったのでしょう。
神の視点で見下ろすラストシーンには、戦争という地獄を潜り抜けねばならなかった世代の血が宿り続けてしまったのを感じました。