2007年 03月 28日
イプシロン
福永武彦の 『廃市』 を発見。
これは、大林宣彦監督で映画化されたんですよね。
柳川という街の情緒や、夏の風景が心地よい映像美。
ラスト、「列車は陽の照りつける晩夏の原野を喘ぎながら走って行く」映像とモノローグがとても印象に残っています。
小林聡美さんが、妹の安子役。小林さんの声は吹き替えになってますよね?あの高い声は違う感じ・・・。原作のイメージの快活という部分は合ってるけど鬘も似合ってないし、お抹茶をたてる古風な一面がある安子にはちょっと違うかな?と見ていました。
心中してしまった夫の通夜の席で、妻の郁代が妹に対して、夫をあなたに譲るつもりだったのにと心情を吐露するのを、始めのうち俯いて黙って耐えている表情は、隠し続けていた情念や影を感じさせて、良かったと記憶しています。
確か、原作とは違って、安子は姉に反論しなかったように記憶してるんですが。
「記憶は嘘をつく」からなぁ