2007年 04月 25日
ビデオ 『タッジオを求めて・・・ルキノ・ヴィスコンティ』
こ~んなマニアックなビデオを持ってました。
71年イタリア国営放送製作 30分ほどの短編なんですが、ヴィスコンティがリド島のオテル・デ・バンや路地裏をロケハンする姿や、タジオ・オーディションの模様を記録したドキュメンタリーです。
大規模に行われるも難航したタジオ役オーディション。
トーマス・マンが実際に同ホテルで遭遇したと言われていて、原作にある「
タジオにはほど遠い風貌の少年が結構来て、全然違うっ!と見ながらツッコミまくりです。
ストックホルムのオーディションで遂にビョルン・アンドレセンが現れます。
やはり気品と謎めいた雰囲気はずば抜けていますが「背が高いな。驚いた。」と背が高すぎることを理由に一旦は見送られます。
このオーディションでは、全て見抜かれそうな厳しい目の巨匠に、セーターを脱いでと言われ怪訝な顔をするところが面白い。緊張してるのか気乗りしていないような表情。
映画より音楽好きな当時15歳(55年生まれ)のアンドレセンの自然な表情が見られるのですが、不思議なことに、大人と子供の狭間のこの少年には、満面の笑みが似合わないんですよね。演技経験もなくカメラに不慣れということを除いても。
70年代の少年俳優写真集が(なぜか)家にあって、ギターを弾く姿やら部屋で寛ぐアンドレセンの写真と共に生い立ちも取材されてましたが、幼い時に父は出奔。そのショックで母は亡くなるという随分不幸な生い立ちで、祖母のもとで育ったようです。
とにかく。巨匠は、一瞬で老芸術家を魅了し翻弄させる蠱惑的な少年タジオと
遂に出会ったのでした。
余談ですが。『シックスセンス』のオスメント君は『スターウォーズ』アナキン役のオーディションを受けていて落選。アナキン役を勝ち取ったジェイク・ロイド君はコール少年役に落選していたとか。
素通りできません、august22moon様のところったら。
はじめて彼を観た時は、完璧な美貌だわ~と言葉も出ませなんだ。
美少年は生い立ちも薄幸なんですね。
その辺からして違うんだな、きっと、うん、なんか納得。