2007年 08月 19日
静岡文化会館『お気に召すまま』 18日マチネ観劇
既にソワレ当日券購入の列が出来ててビックリでした。
その後の活躍ぶりで覚悟はしていましたが、獲得できた座席は、なんと28列目!
表情が見えないじゃん!とがっかりしていましたが、そんなこともなく、充分表情を観る事ができました。
軽快なロックのリズムに乗って飛び出してくるプロローグで大歓声!
あまり上演機会のない地方であることを除いても
初演はこんなに大騒ぎだったかしらん?と驚いてしまいました。
あの曲が盛り上げるんですな。きっと。 きゃあー!ですもん。
以前、蜷川氏が話していた「アイドル見たさで来た客に、演劇を見せて帰す」舞台です。
再演で、一番の違いはなんといっても、小栗クンの「声」でしょうね。
タイタス以降、声が明らかに変わりました。怒声ではまだエアロンの記憶が蘇ります。
声帯を痛めそうな発声で心配ですが、小栗クンが発言していたように、「(医者に言われたけど)痛めては直しを繰り返し、舞台役者の声になってゆく」んでしょうね。
また、家族との苦悩を抱えた男であることを表現して
成長の跡を見せたいと考えた演技をしていた気がします。
勝ち得た自信と、ベテラン役者さんたちとの競演で、さらなる研鑽と経験を積みたいという、「欲望」が伝わる舞台を「魅せて」くれました。
成宮クンはカムことは無かったですが、強弱が強すぎて聞き取れない部分があり残念。
彼の見せ場としては、オーランドーに恋の手ほどきをしつつ本音が漏れちゃうあたりでしょうか。
場面としては、可笑しくって楽しいですね。
『キッチン』しか彼の演技をちゃんと観ていなかったのですが、あの役は合ってたと思いました。
同世代には持ち得無い独特の雰囲気を持った人だけに、それを生かした演技が見たいです。
彼のこんな役が観たい、と思わせる俳優さんになるといいんですが。
同世代の俳優との差が広がらないうちに。
今回は観劇経験の少ない妹と行きました。
事前に、鋼太郎さんと高橋洋さんを「素晴らしいから、よく観て!」と話していたんですが
まず、鋼太郎さん、洋さんの穏やかでいてよく通る声や
情感が沁み込んでくる台詞回しにも感激した、とか。
追放の憂き目にあっても、家臣からの信頼と、逞しさを失わない「指導者」の品格を見事に表現した演技、
特にオーランドーへの憐憫の情を表す、(施しではなく)おまえに必要なものを与えられたと思えとパンを差し出す場面。
その時の慈愛に満ちた表情は深く印象に残ったよう。
ただ、その後の「この広大な世界という劇場には~遥かに悲惨な芝居がかかっているのだ」 という有名なセリフの真っ最中に、トイレへなのか席を立った女性が通路を歩くタンタンタンという大きな靴音が響き渡り、大いに興醒めでした。
これを再び聞くのを楽しみにしていたのに・・・。
それまでも、アーデンの森の場面あたりから終演まで、中座する女性客が気付いただけでも10人はいました。
携帯着信音、バイブ音は各1回ずつ聞こえました。慌てて切っているようでしたから、観劇中でも連絡を要する事情がある人ではないようでした。
(以前、歌舞伎鑑賞中、3回メールのやりとりをしている人を見かけましたが・・・)
開演直前や休憩時間終了近くなってもトイレに長蛇の列が続いていて、開演までに行けなかった方が仕方なくなのかもしれませんし
能楽堂、文学座アトリエでは、明らかにご気分が悪くなられ外へ出た人がいました。閉鎖空間に長時間いることができ難いかたがいるということも知ってはいますが。
それにしても、今まで経験したことがないほど多数の中座は、
そのような仕方ない理由のかたばかりとは思えず、ちょっと残念でした。
果たして‘彼女たち’は、生の舞台の、「演劇」の、素晴らしさを感じて帰れたでしょうか。
‘彼女たち’が好きな俳優さんがほんとうに観て欲しいものを観たのでしょうか。
妹 「洋さんの帽子は私物なのか?似合いすぎてる」
「おこぼれの笑顔をみせてくれよ / それだけで生きてゆける」
「恋とは溜息と涙でできてるもんだ・・・」
一途な思いを一身に伝える大石継太さん演じるシルヴィアスのセリフも何度聞いても切ない・・・。
洋さんも、斜に構えた本心を明かさない複雑な役は似合ってます。
ほんとにジェイクイズ、おいしい役ですね。
それに「おいしい役」に創り上げる、力があるんでしょうね。
別れを惜しみながらもそれを表には出さず背中を向ける場面は秀逸。
客席横通路を歩く姿にも‘森’が見えるようです。
初演では最後列な上に、一段低くなっている席で
ジェイクイズを見送る公爵の表情が見えなかったのですが、今回は見えました!
自由な生活を捨てないと宣言したジェイクイズを、見送るしかない公爵の哀しい目。
地位を取り戻した慶びの前に、ひとりの男としての野望から決別しなくてはならない悲哀が滲み出た表情でした。
この場面。前の方の席のお客さんは見られませんよね?客席通路でやったら勿体ないと思うんですが。
カテコは3回。2回目から総立ち。一斉に総立ち!
最後に残った成宮クンと小栗クン。成宮クン、ロザリンドとしてオーランドーの手を無理やり引っ張る仕草。小栗クンはワザとバランスを崩し引っ張られる仕草で応えて場内爆笑。
最後のカテコでは成宮クン、思いっきりドレスの裾をめくってペチコートを見せちゃって(おへそまで見えてましたぞ)、またも場内の爆笑を誘って。
森の奥へふたり手をとって下がる最後に、小栗クンは後ろ向きのまま大きく手を振ってました。
マチネが静岡公演・楽の予定が、
ソワレが追加。
ご苦労様です。
小栗クン頬がコケて、瘠せましたね。
布袋様が降りてこなくて、安心しました(苦笑)
まあ蜷川さんの As you like it で結構ですが・・・
心臓バクバクしながらレポ読ませて頂きました。相変わらず素晴らしいレポで・・・ああ、もう一度観たいです(TT)
小栗君の発声ってほんとおっかないですよね。いっぱいいっぱい出しちゃってる感じがして・・・。自信と欲望、そのとおりですね。まさに今の小栗君だと思います。
痩せすぎですよね~、寝る間も無さそうですもの。「カリギュラ」は余裕を持って勝負させてあげたい。せっかくのタイトルロールなんですもの。
それにしても観劇のマナーが・・・悲しい限りですね。小栗君もラジオでおっしゃってました。アーデンの森にポルノグラフィティの携帯音が流れたとか^^;最前列の席が空いていて、遅れて入ってきたその方のバックについた鈴か何かの音が着席するまでずっと動きにあわせてシャンシャンと鳴ってたとか。人気アイドルを生で見たいというノリなんでしょうか。それでもお芝居好きになって帰ってくださるといいのですが・・・。せめて迷惑なファンにならないよう我が身も振り返って心がけたいです。
『ロミジュリ』 でも途中入場する人が沢山いました。
後になって、スタンバイ見たさらしいと聞き驚きました。
芝居の一部が見られなくても、スタンバイする姿が見たいと思うのは役者さんに対して失礼なことではないでしょうかねぇ。
音って、どんな小さくても耳障りになっちゃうのに、セリフをかき消すほどでなければ大丈夫だと思うんでしょうかね。
もう、こうゆうマナー無視客が後を絶たないんですから
救急以外の通話を遮断する「電波遮断装置」を各劇場が設置してほしいですね。