2008年 07月 31日
内田けんじ監督作 『アフタースクール』
母校の中学校で教師をしている神野と、サラリーマンの木村は中学時代からの親友同士。産気づいた木村の妻を、仕事で忙しい木村の代わりに神野が病院まで送りとどけた。その日、夏休み中だが部活のため出勤した神野のもとに、同級生だという探偵が訪ねてくる。島崎と名乗る探偵は木村を捜していた。若い女性と親しげにしている木村の写真を探偵に見せられた神野はショックを受け、なかば強引に木村捜しを手伝うことになってしまう。
『あの頃とどこが違う?』
今月になってようやく地元上映が始まったので観て来ました。
面白かった~
大泉洋さんのキャラがちゃんと活きていたのが、なにより。
好きなんです大泉さん。再々々放送でも『水曜どうでしょう』を見ているほどなんです。
海千山千の怪しげな探偵(佐々木蔵之介)に振り回されてると思いきやのどんでん返しが、なかなか後味爽やか。
違和感のあったセリフや芝居がすべて伏線だったと判る後半に、あれぇそうだったの~って笑える映画っていいですね。
セリフも演技も可笑しいんです。
風俗店に潜入して、探偵からイヤホンでDVDをどれか選んで持っていけと指示されて真剣に棚を見てるんで「どれでもいいよ!」とツッコまれて慌てて棚から取ってバタバタする場面とか。
急いで車を出さなきゃならないのに、なかなかエンジンがかからなくて「オレもうゼッタイ新車買う!(怒)」とか上手いんですよね。大泉さん。
大泉さんの同級生・木村役の堺雅人さんもエリートサラリーマンで幸せな新婚さんかと思いきや、ちょっと切ない役どころっていうのがとっても似合ってました。
麺類のファミレスみたいなお店での取引場面も、周りは刑事だらけで。取引完了すると豪快に麺を啜るのが合図で隣のテーブルに烽火のように次々と啜っていくところは大笑いでした。
風俗店の店員役で1シーンだけ中山祐一朗さんが出演されてました。
最後に、中学の同級生・美紀に早朝の昇降口前でプロポーズするんですが
中学時代、美紀が告白の手紙を木村に託した場所のすぐ側なんですね。
「変わらないね神野くん」と自分はあの頃と随分変わってしまったんだと卑下する美紀に、「あの頃と、どこが違う?」本質は変わってないと慰めて、優しくでも力強く「ウチへ帰ろう」と言うのが凄くよかったです。
おとなになって色んなことを経験して、多くのことを得たり学んだけど、失ったものも多い。あの頃にはもう戻れないと思うのは当然のこと。
もしかしたら神野は、手紙を渡そうと美紀が待っていた昇降口と同じ場所で答えるために、母校の教師になったのかしら。
シンプルな場面、シンプルなセリフがこんなに響くものなんですね。
いい映画でした。
人物のキャラに合わせて携帯の着メロが作られたんですって。
木村の‘カノン’しか判らなかった・・・。
着メロの件、知りませんせんでした。うわぁ、もっと気をつけて観れば(聴けば)よかった。内田監督の作品を観てると、映画は”予算と尺じゃない!(ちょい怒)” と思います。
(今迄の作品と比べるとギャラ代が高くなってるけど^^;)
予備知識なしで観た方がいいと言われて正解だったと思ったんですが、この着メロの裏話を知って先に知っていれば、ねぇ(笑)
> 予算と尺じゃない
確かにこうゆう映画を観ると、そう思いますね。
> ギャラ代高く・・・
今作は人気者揃いでしたものね。
映画祭の高評価を受けて、確実なヒットを目論んだ映画会社が人気役者を出演させた?のかしら(笑)
『ハプニング』鑑賞後の空しさ(笑)を補って余りある、楽しい面白い映でした。