エコー劇場 AUN第16回公演『マクベス』 26日観劇

part 1 『確かにあの夏の客・・・』
今年最後の観劇。『ガラスの仮面』以来、久々の観劇です。
こんなに何か月も観劇しなかったのは久し振りです。
なんとなく前売りを購入しなかったんですが、鋼太郎さんがマクベスを演じるならやっぱり観たい、やっぱ行っちゃえーと出かけました。
当日券狙いというのは地方在住者にとっては冒険なのです。
寒風の中、整理券配布までの20分がさぶかった~。
受付の長尾さんが、外でお待たせしてすみませんと再三恐縮してくださる。
イエイエ私が早く来過ぎたんですから。
‘雷、稲妻、雨の中’でも待ちましょう(笑)
d0109373_1431278.jpg18時。無事当日券の整理券を受け取り、駒沢通り沿いのお気に入りカフェ『ラヴァンデリ』でクラブハウスサンドとホットラテで温まりました。



















d0109373_3193890.jpg後方で中井出さんが一服されていて、恥ずかしいなと思ったんですが・・・撮っちゃいました(笑)

AUNの『マクベス』は2度目。前回は横田さん客演でマルカムを演じ、マクベスは長谷川耕さん。レディ・マクベスは根岸つかささん。
長谷川さんのマクベスは身の程に合わぬ野望を抱いてしまった恐怖がその風貌にぴったりで、落ち着かない様子で王座に座るとこなんて巧い演出だと思いましたが、時折鋼太郎さんと似通った芝居になってしまうところがありました。
絵画教室の生徒の絵が先生の絵に似てくるような・・・って例えは変かしら?(苦笑)
夫人役の根岸さんはかわいい顔立ちでちょっと違うなぁと見ていたんです。
ところがラストの場面。再び3人の魔女が現れ、前には子供を宿してお腹の大きなマクベス夫人が楽しそうに編み物をしていて、それを頬杖をつきながら幸せそうに見つめるマクベス・・・という図で終わり、魔女たちに魅入られなかったら幸せな夫婦だったんだと、演出の鋼太郎さんの解釈が活きる配役となっていました。
若くはない鋼太郎さんが演じることで、王座奪取という野望や企みがより国家の大事と感じられました。
安寿ミラさんの芝居は、以前TV放映された02年の公演『ハムレット』でタイトルロールを演じられたのを見たきりでした。(鋼太郎さんがクローディアス。栗田芳宏氏演出)
男役ですからセリフ回しも‘宝塚’でしたが、女声でのミラさんはレディマクベスにぴったり。怖気づく夫を叱咤する強い女の演技はさすがですが、それだけではなく女の弱さも巧く表わされていて、狂気に苛まれ始めた夫を慰める前半ラストの絶望の表情は涙を誘う素晴らしいものでした。
しつこく手を洗い続けるレディマクベスの見せ場。ミラさんは狂ったように何度も手を擦り合わせるのではなく、愛おしげに手を見つめているようにしていました。
個人的には、痙攣したように手を擦り合わせるポランスキー演出が、より狂気を強調していて好みなんですが・・・。

鋼太郎さんはとにかく素晴らしくて。
宴席に現れたバンクォーの血まみれの亡霊に取り乱し荒れ狂う場面。
漸く落ち着いて魂が抜けたように喋りはじめる場面。
妻が亡くなったと聞く場面。驚き、事実を受け入れ、悲しみが溢れ、「あれもいつかは・・・」と絞り出すまでの表情は特に素晴らしかった。
「明日、また明日・・・また明日・・・」、もう、陰鬱さが突き刺さってきました。

マクダフの息子役で西本健太朗くんが客演。大きくなったね~。
以前、AUN公演を観に来ていて鋼太郎さんたちに「背が伸びたな~」と驚かれていた頃よりさらに伸びていたみたい。
今回マルカム役は若い長谷川祐之さん。『終わりよければ~』の頃に比べるとだいぶ逞しい感じ。マクダフの忠誠心を試す場面は、つい横田さんの演技と比べてしまいました。
若さ未熟さという点では風貌に合っていると思いますが、次代を担う新王という点では横田さんの演じたマルカムのほうが頼もしかったし、マクベスに驚異と感じさせるところまではどうでしょうか。ダンカンがいるからこそ、という感じがしてしまいました。それでいいのかもしれませんが。

今回は大塚明夫さんの出演も楽しみのひとつでした。
大塚さんのAUNでの演技を初めて拝見しました。
と言うよりも、ドラマ「ER」のベントンの吹き替えしか知らなくて、場内アナウンスも嬉しいサービス。
「これより10分間の休憩を頂戴します」だったかな?
「・・・携帯電話の電源は・・・」に、思わず、ああベントンだ~(笑)

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『マクベス』の中で好きなセリフ心に残るセリフはもちろん数多くありますが、この陰鬱なお話の中でさわやかで明るい初夏を感じさせる唯一とも言える場面は、ダンカン一行がマクベス城を見上げて好印象を語り合う場面ではないでしょうか。
その内側で暗殺が企てられているとも知らず「実にたのしげな佇まいだな」と信頼するダンカンに、バンクォーが言い添えて城壁の岩燕を「夏の客」とはなんとも美しい。
囀りが聞こえてくるようです。
大塚さんの声で称えられるとまた艶やかに響きました。

Commented by 如月 at 2008-12-28 07:29 x
いつもながらの、すばらしいレポ(^-^)
あ~ん、観に行きたかった感、激増ですぅ。
年末に遠征は厳しいのに。

鋼太郎さん、やっぱり素晴らしいですね。
DVDになってくれれば地方在住者にも感動のひとかけくらいは
味わえるのに、それも叶わず。

AUNさんに、せめてパンフとCD送って頂けないか
お願いしてみようかな。

唐突ですが・・
良いお年をお迎えください♪
また来年もよろしくお願いします。
こちらのブログは私の憩いです!
Commented by august22moon at 2008-12-28 09:06
如月さん、おはようございます。
行って観れないと、せっかくの年末休暇が無駄になっちゃうと心配したんです。
私は都内まで鈍行でも2時間で着けるのでまだいいほうですが、地方の人たちのことも考えてほしいですよねぇ。
TV放映かDVDにしてくれれば助かりますよね。
横田さん客演の時なんてつくづく思いました。
人気劇団なのに一度も放映されてないのオカシイですよね。

こんな拙い文章ばかりですのに憩いなんて言って頂いて恐縮です。
ほんとうにありがとうございます。

如月さんも、どうぞよいお年をお迎えくださいね。
こちらこそ来年も宜しくお願いいたします。
by august22moon | 2008-12-27 04:25 | 観劇 | Comments(2)

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