2018年 03月 16日 ( 2 )

ギレルモ・デル・トロ監督作『シェイプ オブ ウォーター』

今年のアカデミー賞は、昨年の人種偏見問題から、さらに「多様性」を強調。
現大統領へのハリウッドの姿勢をはっきり見せているようでした。
で、作品賞受賞作もこのハリウッドのメッセージそのもの。
心に響くとか残るとか、そうゆうことはなかったです。

d0109373_23324123.jpg60年代のまだ今以上にマイノリティーが生き難い時代が舞台。

主人公イライザの住む映画館の上階の部屋の画はとても素敵でした。窓の形とか。
あちこち傷んで古びてはいても、下階が映画館だからか、侘しさがない。
孤独を飼い慣らしている感じはよく表されていると思いました。
サリー・ホーキンスが、真面目に(とはいえ毎日出勤がギリなのはなぜだ)働く表情はよかった。
オクタビア・スペンサー演じるイライザの同僚でよき理解者のゼルダが、やたらと勘が鋭くて察しがよくて、そこがストーリーをテンポよくさせていました。
悪役ストリックランドがどんどんモンスターになっていって、その映し方がいかにも60年代っぽい。そしてキモチワルイ。壊疽した指云々ではなく。キャンディーをガリボリ噛むの神経に触るのよ。

リチャードジェンキンスのナレーションは心地よかったけれど。
飼い猫が被害にあったのに、習性だからと受け入れて、無事だった他の猫に助かったねなんて声かけるところはちょっと驚き。
ジャイルズは芸術家なんですが、異形の者に対する偏見の無さを超えて、あまりに心が広く柔軟すぎてきれいすぎる。

予告編でスピルバーグの新作『レディ・プレイヤー1』。
マーク・ライランスがドクだ~(笑)いや、まるでドクなのか?


映画
by august22moon | 2018-03-16 23:00 | 映画 | Comments(0)

キムソンフン監督作『トンネル 闇に鎖された男』wowow放映

d0109373_2043317.jpg韓国映画ってあまり見ないので出演者さんの中で存じ上げているのは、ペドゥナだけでした。
儚げなので適役。
危機からの救出劇ですが、先に強烈な映像ありきとならず、展開に引き付けられました。
がクラクションが聞こえてから送風機に辿り着くまでがあっさりしちゃってる感は否めませんでしたけれど、場所は特定できたんだからあんなもんなのかな。

もうひとりの生存者である女性と飼い犬の物音一つ聞こえなかったのも、気になるところでした。
しかし、水も食料もなんとかなっていたところへ、他の生存者と分け合わなくてはならなくなった時の迷うようすがとても共感できることばかり。
水を乞われて持っていくのに、迷いつつも少ないほうを一旦はとっていて、やはりうしろめたさからか、未開封のほうから入れ足すとか。キャップで少しづつ飲んでいたのにぐびぐび飲んでるのを見ている表情とか。さらに飼い犬にも水をと頼まれた時の表情とか。
バッテリー節約してるのに、長々話してるのを見てるところとか。
いや、大して長話しているわけではないんですが、主人公に感情移入しちゃって、そう見えちゃった。
少しでも残しておいて娘と食べようとしていたケーキを、この女性には持っていかないのもね、なんか気持ち分かる
エゴとは責められない、哀しさがある。本能として誰にも起こりうるのではないかしら
こうゆう状況になった時に、どれだけ自分を犠牲にしてもひとに与えられるか。考えさせられました。
で、突然亡くなっていた時の悔やんだ表情なんてね
特にここは過剰な演出もなく、そこが良かったです。

水も食料も尽きたところで、救出隊の食べる食事風景を何度も映したり雨が降り続けたりというのは、生き埋めになった者の飢餓状態を増幅させる対比ですが、肝心のこの男の弱っていく状態が細かく描かれていないので、ピンとこないのでありました。

救出隊の隊長役の俳優さんがとても良くて。
妻セヒョンの辛さにも寄り添って、人情派というんでしょうかね。
救出されたジョンスの言葉を、自分の感情も込めて言うのもよかった。

この隊長へ向けてサムズアップしたのを、感謝の意と報道する愚かしさも表して
なかなかに爽快な締めくくり。
帰路でトンネルを通る時に当然不安になるんですが、その時の表情にあどけなさが見えたのは私の勘違いかな
ケーキ食べる時に音たてるのも気になったけれど(笑)、全体に主人公に感情移入しやすかったです。



映画
by august22moon | 2018-03-16 00:05 | 映画 | Comments(0)


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