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2019年 05月 27日 ( 1 )

d0109373_1929234.jpg都市部より数か月遅れて上映することが多い地元映画館。5月は大きな仕事が立て続けで、へとへとすぎてとても映画館まで行く気力が残ってない日々。結局、天才作家の妻やサリンジャーばかりかミミ・レダーもスパイク・リーもロブ・ライナーも超高速短期間上映で終わってしまい悔いばかりの5月です。

週末、さまざま一段落し、レイトショーに行く余力が残っていそうなので行ってきました。
が。初日でしたーほぼ満席ですー。しかも男子ばかり。老若男子ばかり。さすが、かわぐちかいじ氏作品。

若松監督は、『沈まぬ太陽』でもそうでしたが、あまりアングルやカット割りに凝った撮り方をしない、真正面から撮る印象です。時にオーソドックス。斬新だったり新鮮な視点はそれだけで奥深く雄弁な映像になると思うんですが。単に原田眞人作品が好きなのかな

アメリカのように迷わず徹底抗戦する国と違って、自衛隊としてどのように闘うのか
タカ派がここぞ武力発揮のチャンスとするフィクションなのか
原作未読ですので、どうなるのかなぁと。
しかし先ず、「東亜連邦」の正体がよく分からない。
特定の国が領土侵略と設定するのは日本映画では無理でしょうが、せめて旗だけでなくいかに脅威であるか先に示して戦闘力も分かっていれば、より戦闘も緊迫感がでたのに。
見えない敵の恐ろしさってことなのでしょうか

艦長の秋津のバックボーンもよく判らないんですが、攻撃命令の前に少し口角を上げる不敵な笑みが好戦的に見えてこの状況を好機としているよう。
総理も秋津にその片鱗を見ている。
副艦長の新波と意見を異にしながらも分裂はせず、状況も緊迫してくる中で徐々に秋津という男の真意が判明していくのは面白かったです。
護衛艦艦長それぞれも、微妙に為人が違う。
しかし、「専守防衛」という根幹はブレていないのが、清々しい気がしました。
苦しいけれど。ニッポンって、そうゆうものなのね。
「気落ちは不要。攻撃だけが華じゃない」ってね。

戦争と戦闘は違う。
戦争をしていないではなく、ひとりの戦死者も出していない。というセリフも心に残りました。
国連軍登場がなんだか納得いかないんですが。そうゆうものなのかな。

市原さんは適役。出撃前のきりっとした表情が、命令無視して突っ込んじゃうんじゃないかとひやひやさせるけれど、(それも許すっと心の中で叫ぶけれど)お見事でした。
いぶき砲雷長葛城役の石田法嗣さんの演技をほんとうに久し振りに見られました。
まだ少年の頃に出演した、ドラマ『エンジン』で演じた屈折の中に隠した孤独の表現が巧くて
主役のスーパースター氏が寄り添おうとするのを拒んで坂道をずーっと登って行って坂のてっぺんで振り向いた時の初めて弱いところを見せた顔。あれが忘れられないんですよ。
とにかく女性記者が不要。
この記者がどうゆう人物なのかがまったく見えない。女優さんに造形力がなかったのもありますけれど。衝撃を受ける動作すら出来てなかったですし。こんなの間違ってると思いますっなんて邪魔にならなかったのがせめてもですけど。

この緊迫した状況が海の向こうで起きてる最中の、長閑なコンビニ場面は、最後の秋津艦長が救助した兵士へのセリフにも繋がっていたのはよかった。
ブーツを船内に持ち込んでたのはともかく。
中井貴一さんは巧いし。(てんちょーそのペースで詰めてたら終わらないよーと突っ込みながらも)
そこで国内の混乱の一端が表されるんですが、若いバイトさんたちは、戦争が始まると食料買い占めに殺到するお客さんの対応に追われながらも、とりあえずの問題は電話が繋がらなくて追加発注できないことで、疲れ果てて居眠りしてる店長を気遣って寝かせておく。いまひとつ、すぐそこにある危機が実感できていないわけです。
ネットニュースの本社では乗船している記者の配信を見ながら、おにぎりの具のことなんて話してる。
ニッポンは平和です。

総理の会見で、記者の打つパソコンのキーの音がマイクに入っていたのが細かい演出。
さすが打つの早いなーといつも感心してるんです。

横田さんは映画久し振り。
「しらゆき」の艦長役でしたが、被弾した「はつゆき」救助の命令が抒情的に響きました。
レーダーや計器を瞬時にチェックする視線とかね、細かい演技です。
作品内でもディスプレイの画面で弾道や戦闘機が頻繁に示されるんですが、CICではディスプレイ上で戦闘が行われている。
それが人間の存在を隠しゲームのように映って、恐怖。



映画
by august22moon | 2019-05-27 23:00 | 映画 | Comments(0)

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